エクソシストのモデルとなった病とは?「彼女が目覚めるその日まで」【映画ネタバレ】あらすじ感想。
どんな映画なの?
原因不明の病は、世の中に数多く存在するでしょう。
いろんな検査をしても、異常がない。 けれど、症状だけはある。
その得体の知れない症状に、苦しんだ若い女性の実話を元にした映画です。
キック・アスで有名になったクロエ・グレース・モレッツ主演で、ホラーやアクション映画での演技とはまた違う“謎の病に苦しむ女性のリアルで迫真の演技”を見せてくれました。
キック・アスで有名になった主演クロエ・グレース・モレッツって?
5歳からモデルなどの芸能活動を始めた子役出の女優さんです。 ドーリーフェイスで可愛らしいですよね。 2010年公開の映画キック・アスの“ヒット・ガール”を演じ、ブレイクしました。
このヒット・ガールは11歳の少女で放送禁止用語を連発しながら、見事なナイフ捌きや銃で敵をバンバン倒していくキャラクターです。こんなキャラクターがいままでいたでしょうか。(褒め言葉)
ヒット・ガールのアクションシーンはすごくカッコいい! ほとんどのアクションをクロエ本人が演じたというから、素晴らしい。 アクションが多く、B級映画的な位置付けをされてますが、ぜひ一度は見てほしい映画です。
エクソシストのモデルってどういうこと?症状について。
実はこの病、エクソシストの悪魔憑きのモデルとなった病なんです。
症状は、映画を見た限りだと
・幻聴、幻覚 ・頭痛 ・めまいなど疲労感 ・感情の急激な高まりと落ち込み ・手足の硬直、しびれ ・理解能力、運動能力の急速な低下 ・歩行困難、言語障害 ・パニック症状 ・異常を感じてからの悪化が早い ・MRIなどの検査に異常が見られない ・物忘れ
書き出しましたが、かなり深刻ですよね。
主人公は色々な病院で様々な検査を受けるのですが、異常なしの診断を受けるわけです。 そして、最終的に行き着くのは精神科への入院。
症状だけ見ると、双極性障害や統合失調症に近いため誤診されてしまうのです。 しかし、この女性はもともと精神疾患を患った過去もなく、精神疾患になるきっかけとなるトラウマやストレスを特に感じる出来事もなく過ごしていたのです。
仕事もやりがいを感じていて順調、彼氏もいてラブラブだし、明るくコミュニケーション能力も高い印象です。
病気になってからは支離滅裂な言動をする訳ですから、周りは困惑しますよね。
この病は“突然現れた悪魔のよう”
エクソシストのモデルとなった病。その謂れが分かった気がします。
見所とストーリー
この映画のストーリーの軸は、ごく普通の女性が突然に原因不明の病を発症し、原因が分かるまでの苦悩を主に描いているということです。
謎の病による不安や恐怖。
“現代医療でも分からない謎の病の恐怖”や、“治し方も病名も分からない絶望感”を感じる主人公の感情とその周り(家族、恋人、友人)の苦悩をリアルに描いているなぁと思いました。
いつ自分に降りかかってもおかしくない、病気をより“身近”に感じる映画なのです。
そして、様々な科の専門医師にかかっても、 その専門医ですら『専門外、これ以上はやりようがない。』といった対応をされるシーンが印象的です。
※ネタバレ注意
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この病は、抗NMDA受容体脳炎です。 脳の興奮性神経伝達物質のグルタミン酸の受容体に自己抗体が出来ることによる、急性脳炎です。
発見が早ければ、回復できる病気であり、遅ければ死に至ることも。 この病は2007年に疾患概念が確立したので、それ以前にこの病だった人もいる訳です。
そう、エクソシスト原作の悪魔付きの子供のように。
しかし、現在治療法があり主人公は回復したように、このような病があると知ってもらいたいという想いで作られた映画とも言えるでしょう。
この病の原因を突き止められたのは、『運が良かった』と主人公は語りますが、 本当にそうだなと思うのは、 ひとりの医師が彼女を見捨てず、この病が何か見極められるであろう知り合いの医師へ相談したことで、解明したのですから。
その医師が行動を起こさなければ、彼女は精神病でもないのに、精神病棟へ送られ死んでしまっていたでしょう。
医療の問題点もしっかり浮き彫りにさせています。
まとめ
クロエちゃんのファンであり、予告編での“原因不明の病”というワードにひかれてなんとなく観たのですが、とても良かったです。 病気の種類は違えど、病気を抱えてる人にぜひ観てほしいです。